首都圏27エリアの倉庫賃料ランキング2026|REINS実成約データ

首都圏27エリアの倉庫賃料ランキング2026|REINS実成約データのサムネイル

倉庫を借りたいオーナー・企業の方が最初に直面する壁が、「どのエリアでどの程度の賃料水準なのか」という相場感です。一般的に公開されている情報は表面的な相場感に留まり、実際の成約データに基づいた数値は手に入りにくいのが現状です。

本記事では、にっぽん倉庫が首都圏27エリアで蓄積したREINS(公益財団法人東日本不動産流通機構)の実成約データ計740件を分析し、坪賃料・キャップレート・取引流動性・需要動向の最新トレンドを公開します。倉庫を借りたい企業、保有倉庫の活用を検討するオーナー、投資対象として検討する事業者のいずれにとっても、判断材料になる一次情報をまとめました。

この記事を読むとわかること

  • 首都圏27エリアの倉庫・工場の実成約坪賃料ランキング
  • 取引流動性が高い(売却しやすい)エリア
  • キャップレートが高い(投資妙味のある)エリア
  • CRM需要相関データで見る、需要過熱エリアと供給過剰エリア

1. 首都圏倉庫の坪賃料ランキング2026

まず結論からお伝えします。にっぽん倉庫が首都圏27エリアの実成約データを集計した結果、倉庫の坪賃料は以下の通りでした。

倉庫坪賃料ランキングTOP10

順位エリア坪賃料/月
1位都心(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)¥12,500
2位湾岸(品川埠頭・城南島・潮見・辰巳等)¥12,000
3位城東都心寄り(台東・墨田・江東)¥11,300
4位城南(品川・大田・世田谷・目黒)¥10,600
5位城北(北・板橋)¥8,300
6位城東外環(荒川・葛飾・江戸川・足立)¥8,200
7位城西(中野・杉並・豊島・練馬)¥7,600
8位横浜市¥7,500
9位川崎市¥7,200
10位東葛湾岸(浦安・船橋・市川・習志野)¥7,000

倉庫坪賃料ランキング11位以下

順位エリア坪賃料/月
11位西東京近郊(立川・昭島・府中等)¥6,100
12位埼玉南部(川口・戸田・蕨・和光・朝霞・志木)¥5,940
13位西東京遠郊(町田・八王子・青梅等)¥5,600
14位さいたま市¥5,500
15位湘南(藤沢・平塚・茅ヶ崎等)¥5,166
16位東葛近郊(松戸・柏・流山・野田)¥5,000
17位埼玉東部(三郷・八潮・越谷・春日部等)¥4,900
18位相模原市¥4,858
19位神奈川県央(厚木・座間・海老名・大和・綾瀬等)¥4,484
20位埼玉西部(所沢・川越・入間・狭山等)¥4,380
21位埼玉県央(上尾・桶川・北本等)¥4,000
22位千葉市¥3,800
23位千葉東葛郊外(白井・八千代・成田・佐倉等)¥3,500
23位市原(木更津・君津・富津含む)¥3,500
25位神奈川県西(小田原・秦野等)¥3,000
25位埼玉北部(熊谷・深谷・本庄等)¥3,000
25位千葉内陸/外房(茂原・東金・銚子等)¥3,000

最高値の都心¥12,500/坪に対して、最低値の埼玉北部・千葉内陸・神奈川県西は¥3,000/坪。約4.2倍の格差があることがわかります。

2. 工場坪賃料ランキング2026

工場についても同様に集計しました。倉庫と工場では立地需要が異なるため、ランキングにも特徴的な違いが現れます。

工場坪賃料ランキングTOP10

順位エリア坪賃料/月
1位都心(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)¥10,984
2位城東都心寄り(台東・墨田・江東)¥10,636
3位城南(品川・大田・世田谷・目黒)¥9,068
4位城東外環(荒川・葛飾・江戸川・足立)¥8,790
5位横浜市¥7,793
6位城西(中野・杉並・豊島・練馬)¥7,242
7位城北(北・板橋)¥7,071
8位川崎市¥7,060
9位埼玉南部(川口・戸田・蕨・和光・朝霞・志木)¥5,735
10位西東京近郊(立川・昭島・府中等)¥5,632

注目点:倉庫では2位だった湾岸エリアは工場ランキングには出てきません。湾岸は物流倉庫向けの大規模区画が中心で、工場用途の小規模区画はほぼ存在しないためです。一方、城東外環は倉庫6位に対して工場4位と相対的に工場需要が強く、これは町工場集積エリアの特性を反映しています。

3. 調査方法

データソース

本記事のデータは、にっぽん倉庫が独自に集計した以下のソースを統合しています。

  • REINS(公益財団法人東日本不動産流通機構)の成約データ:直近3年間の倉庫・工場売買成約計740件
  • にっぽん倉庫の自社CRMデータ:会員企業4,400社の希望エリア・希望条件
  • 首都圏の倉庫・工場専門サイト13社のウェブサイト掲載数(2026年3月時点)

集計方法

エリア区分は東京都を9区分、神奈川県を6区分、埼玉県を6区分、千葉県を6区分の計27エリアに分け、それぞれに収益還元法(income approach)または取引事例比較法(comparison approach)を用いて適正な坪賃料を算定しました。サンプル数が10件未満のエリアでは推計値の信頼度が下がる旨を、各データに付記しています。

サンプル数(倉庫REINS成約件数TOP10)

順位エリア件数
1位埼玉東部(三郷・八潮・越谷・春日部等)43
2位城東外環(荒川・葛飾・江戸川・足立)38
3位埼玉南部(川口・戸田・蕨・和光・朝霞・志木)35
4位埼玉西部(所沢・川越・入間・狭山等)34
5位千葉内陸/外房(茂原・東金・銚子等)33
6位埼玉北部(熊谷・深谷・本庄等)29
7位東葛近郊(松戸・柏・流山・野田)21
8位城東都心寄り(台東・墨田・江東)17
9位さいたま市15
10位湘南(藤沢・平塚・茅ヶ崎等)14

合計369件の倉庫成約データを分析対象としています。

4. 県別の賃料水準サマリ

エリア別データを県単位で集計すると、以下のような構造が見えてきます。

平均坪賃料最高最低エリア数
東京都¥9,133¥12,500(都心)¥5,600(西東京遠郊)9エリア
神奈川県¥5,368¥7,500(横浜市)¥3,000(県西)6エリア
埼玉県¥4,620¥5,940(南部)¥3,000(北部)6エリア
千葉県¥4,300¥7,000(東葛湾岸)¥3,000(内陸/外房)6エリア

東京都の平均は神奈川県の1.7倍、埼玉県・千葉県の2倍以上。一方、千葉県内では東葛湾岸(¥7,000)と内陸/外房(¥3,000)で2.3倍の格差があり、県内格差が最も大きい構造になっています。

5. 取引流動性ランキング|売却しやすいエリア

倉庫オーナーが物件売却を検討する際に重要なのが、そのエリアでどの程度の取引が行われているかという「流動性」です。REINS成約件数が多いエリアほど、買い手が見つかりやすく、適正価格で売却しやすい傾向にあります。

倉庫の取引流動性が高いエリアTOP10(再掲)

第3章「サンプル数」の表をご参照ください。

首都圏倉庫の流動性は、外環道・首都圏中央連絡自動車道(圏央道)沿線に集中しています。物流2024年問題で配送距離の短縮ニーズが高まり、首都圏外周の物流ハブとしての価値が再評価された結果と考えられます。

工場の取引流動性が高いエリアTOP5

順位エリア件数
1位埼玉南部(川口・戸田・蕨・和光・朝霞・志木)48
2位埼玉東部(三郷・八潮・越谷・春日部等)32
3位城東外環(荒川・葛飾・江戸川・足立)29
4位埼玉西部(所沢・川越・入間・狭山等)27
5位横浜市26

工場については埼玉南部が最も流動性が高く、川口・戸田の中小製造業集積エリアの厚みを反映しています。

6. キャップレートランキング|投資妙味があるエリア

倉庫を投資対象として検討する場合、最も重要なのがキャップレート(収益還元利回り)です。キャップレートが高いほど投資収益性が高い一方、空室リスクや資産価値変動リスクも高い傾向にあります。

倉庫キャップレートランキングTOP10

順位エリアキャップレート
1位千葉東葛郊外(白井・八千代・成田・佐倉等)11.0%
2位相模原市10.5%
3位埼玉南部(川口・戸田・蕨・和光・朝霞・志木)10.5%
4位東葛湾岸(浦安・船橋・市川・習志野)10.5%
5位城南(品川・大田・世田谷・目黒)10.0%
6位城北(北・板橋)10.0%
7位埼玉県央(上尾・桶川・北本等)10.0%
8位城東外環(荒川・葛飾・江戸川・足立)9.5%
9位横浜市9.5%
10位埼玉東部(三郷・八潮・越谷・春日部等)9.5%

最も利回りが低いのは西東京近郊(立川・昭島・府中等)の5.0%、最も高いのは千葉東葛郊外の11.0%で、2倍以上の差があります。

キャップレートが示す投資判断のヒント

キャップレートは「利回り」であると同時に「リスク」を表すシグナルでもあります。高キャップレート=高リターンの裏には、以下のリスクが含まれます。

  • 空室リスク(テナント退去後の再リース難易度)
  • 資産価値変動リスク(エリアの将来性)
  • 物件固有リスク(築年・設備の陳腐化)

判断軸:保有期間が10年以上の長期投資なら、キャップレート8.0〜9.5%帯の埼玉東部・横浜市・城東外環が現実的な選択肢になります。短期保有・出口戦略重視なら、流動性とキャップレートのバランスがとれた埼玉南部・東部が候補です。

7. CRM需要相関データで見る、需要過熱と供給過剰

にっぽん倉庫の自社CRM(会員企業4,400社)から、希望エリアと物件供給数の相関係数を算出しました。相関係数1.0より高いエリアは需要過熱(買い手>供給)、低いエリアは需要緩和となります。

需要過熱TOP5(倉庫)

順位エリア需要相関係数
1位横浜市1.020
2位湾岸(品川埠頭・城南島・潮見・辰巳等)1.015
3位西東京遠郊(町田・八王子・青梅等)1.010
3位川崎市1.010
3位埼玉東部(三郷・八潮・越谷・春日部等)1.010

横浜・川崎の京浜エリアと湾岸物流地区が需要過熱の主軸です。圏央道沿線の埼玉東部も「物流ハブ需要」で過熱しています。

需要緩和TOP5(倉庫)

順位エリア需要相関係数
1位市原(木更津・君津・富津含む)0.955
2位埼玉北部(熊谷・深谷・本庄等)0.965
3位千葉内陸/外房(茂原・東金・銚子等)0.970
4位神奈川県西(小田原・秦野等)0.980
4位千葉東葛郊外(白井・八千代・成田・佐倉等)0.980

この5エリアは「賃料は安いが、決まりにくい」エリアです。オーナー視点では空室期間の長期化リスクがあり、借り手視点では多少時間をかければ条件交渉の余地が大きい傾向にあります。

8. データから読み取れる3つのインサイト

インサイト1:物流ニーズは「都心→圏央道沿線」への分散が進行中

倉庫の取引流動性ランキングを見ると、首都圏外環状の埼玉東部(三郷・八潮・越谷)・城東外環(荒川・葛飾・江戸川・足立)・埼玉南部(川口・戸田)が上位を占めます。これは物流2024年問題による配送距離短縮ニーズと、首都高速の慢性的渋滞回避ニーズが背景にあります。

一方、都心・湾岸の坪賃料は依然として高水準ですが、取引件数は少なく流動性は低い。需要は強いものの、新規供給が極めて限定的で、現有物件のテナント保持率が高いと推察されます。

インサイト2:埼玉南部は「工場の都」、千葉東葛湾岸は「倉庫の都」

工場成約件数1位の埼玉南部は、川口・戸田を中心に中小製造業の集積地として歴史があります。工場48件 vs 倉庫35件と工場優位の構造です。

対して、千葉東葛湾岸(浦安・船橋・市川・習志野)は倉庫坪賃料¥7,000(10位)に対して工場坪賃料¥4,945(15位)と、明らかに倉庫優位。京葉道路・湾岸道路アクセスを活かした物流拠点としての利用が中心です。

業種別の物件選定では、この「エリア特性」を理解した上でアプローチすることが重要になります。

インサイト3:キャップレートと流動性は必ずしも比例しない

キャップレート1位の千葉東葛郊外(11.0%)の流動性は中位(21件相当)。これは「利回りは魅力的だが、需要は緩和傾向」のシグナルです。投資判断としては、短期出口戦略には不向き、長期保有・自己利用兼用なら検討余地ありとなります。

一方、キャップレート9.5%帯の埼玉東部・城東外環は流動性も高く、投資としても出口確保がしやすい「バランス型」のエリアです。

9. 借り手目線での実務活用方法

倉庫・工場を借りる立場の方は、以下の3つの観点で本データを活用してください。

① 賃料予算と立地の優先順位を明確化する

  • 賃料を最重視するなら:埼玉北部・千葉内陸・神奈川県西の¥3,000/坪エリア
  • 都心アクセスを最重視するなら:城東外環・湾岸・城南の¥8,000〜¥12,000/坪エリア
  • バランス重視なら:埼玉東部・横浜市・川崎市の¥5,000〜¥7,500/坪エリア

② 業種別の集積エリアを選ぶ

  • 中小製造業:埼玉南部
  • 物流業:埼玉東部・城東外環・湾岸エリア
  • 食品・冷蔵:城東・湾岸(電力容量重視)
  • 危険物:工業専用地域+専門倉庫業者所有物件

③ 需要過熱エリアでは早期決断、需要緩和エリアでは粘り強い交渉

横浜・川崎・湾岸の需要過熱エリアは、良質物件が出てから決断までの猶予が短い傾向。対して、千葉内陸・埼玉北部の需要緩和エリアでは、賃料・初期費用の交渉余地が大きい傾向にあります。

10. オーナー目線での実務活用方法

倉庫・工場を保有しているオーナーの方は、以下の観点で本データを活用できます。

① 保有物件の適正賃料を再確認する

長期契約のテナントがいる場合、契約時から5〜10年経過していると、現在の相場と乖離している可能性があります。本ランキングの坪賃料と、自社物件の現在賃料を比較してみてください。

② 売却・継続保有の判断

  • 流動性が高い・キャップレート9.5%以上のエリア(埼玉東部・城東外環・横浜市等):売却市場が活発で、適正価格での出口が見込める
  • 流動性が低い・キャップレート6.5%以下のエリア(都心・湾岸等):長期保有による賃料収益重視が有利
  • 流動性が低い・キャップレートが高いエリア(千葉東葛郊外等):売却タイミングを慎重に見極める必要あり

③ 空室対策の方向性

需要過熱エリアでは「賃料を市場相場以上に設定しても決まる可能性」がある一方、需要緩和エリアでは「賃料を相場より下げて早期成約を狙う」のが定石です。本ランキングの相場値を基準に、自社物件の戦略を見直してください。

まとめ|次にすべきこと

本記事では首都圏27エリアの実REINS取引データから、倉庫・工場賃料の最新トレンドを解説しました。要点を再掲します。

  • 倉庫坪賃料は都心¥12,500から埼玉北部¥3,000まで4.2倍の格差
  • 取引流動性は埼玉東部・城東外環・埼玉南部の3エリアが突出
  • キャップレートは千葉東葛郊外11.0%が最高、西東京近郊5.0%が最低
  • 需要過熱は横浜市・湾岸・川崎市、需要緩和は市原・埼玉北部・千葉内陸

具体的な物件検討は、エリア別の物件一覧から始めてみてください。

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本記事は2026年5月時点のREINS成約データに基づいています。今後も四半期ごとに最新データで更新予定です。

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この記事の監修者

一般社団法人にっぽん福福
代表理事

福本 浩一

略歴

3歳の頃に両親が離婚し、母親のもとで妹と3人で暮らす。その後、母方の祖父が経営するバッティングセンターで幼少期よりお手伝いをする。
その頃に祖父から『子どもは宝』と教えてもらい地域の子ども達に喜ばれる貢献活動をすることの大切さを学ぶ。
大学卒業後、大手不動産会社へ入社。不動産業を学んだ後に、祖父の経営する会社へ入社。同時に青年会議所に入会する。
青年会議所で社会貢献や地域貢献について学び、祖父の経営する会社でも営業の傍ら社会貢献や地域貢献活動に尽力する。
社会貢献活動を通じて「他の企業にも社会貢献の重要性を広めたい」「社会貢献が当たり前」な社会を実現したいと考え、一般社団法人にっぽん福福を設立する。

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