物流倉庫を利用する際にかかる費用は、固定費と変動費の2つに分かれます。
保管料やシステム利用料といった固定費に加え、入庫やピッキングなどの作業にかかる変動費も重要です。
これらの費用は、倉庫の利用形態や契約内容によって異なり、相場を把握することがコスト管理のカギと言えるでしょう。
この記事では、物流倉庫にかかる主な費用の相場や、コストを抑えるためのポイントを詳しく解説します。
物流倉庫を利用する際は、さまざまな固定費が発生します。
これらの費用は、倉庫の運用や商材の管理に必要なコストであり、毎月発生するため、予算計画のためにも把握しておきましょう。
ここでは、代表的な固定費の相場について説明します。
倉庫保管料は、物流倉庫内において商材を一定期間保管するためにかかる費用です。
保管料は、一般的に「坪単位」で月額料金が設定されていますが、場合によっては「パレット単位」や「ラック単位」といった別の基準で料金が算定されることもあります。
保管料の相場は、倉庫の立地や設備条件によって異なりますが、坪単価で月額2,700円から7,000円程度が一般的。
以下に主要地域の保管料相場をまとめました。
地域 | 保管料相場 |
---|---|
東京23区 | 4,500〜7,000円 |
東京23区外 | 3,500〜4,000円 |
千葉 | 3,000〜4,000円 |
仙台 | 2,800〜4,000円 |
近畿 | 3,700〜4,500円 |
中部 | 3,500〜4,000円 |
福岡 | 2,700〜3,500円 |
東京都で高い地域は7,000円程度必要な場合もありますが、地域によって大きな差はないと言えます。
システム利用料は、物流倉庫内で商材の入出庫や在庫管理を行う際に利用される倉庫管理システム(WMS)の使用料です。
システムを使用することで、物流の流れや在庫状況をリアルタイムで正確に把握できるため、業務の効率化が図れます。
相場としては、月額20,000円から50,000円程度。
ハンディターミナルやプリンターの保守費用なども含まれる場合があります。
また、導入費用がかかるケースも考慮しておきましょう。
業務管理費は、物流倉庫内での商材の取り扱いや保管業務にかかる手数料です。
システム利用料とは別に請求されることが多く、商材の管理や出荷、在庫チェックなど、日々の業務に対して課される費用となります。
料金は月額10,000円から50,000円程度が相場であり、取り扱う商材の量や作業内容によって金額が変動します。
システム利用料と一緒にまとめて請求されるケースもあるでしょう。
物流倉庫を利用する際、固定費だけでなく、商品の取り扱いや作業ごとに発生する変動費も考慮しなければいけません。
変動費は、扱う商品の種類や数量、作業内容によって異なり、業務ごとに単価が設定されています。
ここでは、代表的な変動費の相場について解説します。
一つずつ見ていきましょう。
入庫料は、商品の受け入れ作業にかかる費用です。
商品が倉庫に到着し、所定の保管場所に移動するまでの一連の作業を指し、商品のサイズや重量、形状によって単価が変わります。
入庫料の相場は、一般的に10円から40円程度ですが、高価な商品や取り扱いが難しい商品については、単価が100円前後に設定されるケースも。
商品の特性に応じて変動するため、契約前に細かく確認するべきでしょう。
ピッキング料は、倉庫内で保管している商品を、出荷指示に従い取り出す作業にかかる費用です。
ピッキング作業は、商品を出荷エリアまで移動させる工程も含まれます。
ピッキング料の相場は10円から30円程度で、商品の大きさや形態によって単価が異なるでしょう。
また、場合によってはピッキング料が梱包料と一括で請求されるケースもあるため、契約時に確認しましょう。
検品料は、入庫時に商品の状態や数量を確認するための費用です。
検品は、商品が破損していないか、注文通りに届いているか確認する作業で、特に電化製品や精密機器などは厳密なチェックが必要です。
検品料の相場は10円から30円程度ですが、動作確認を要する製品や特殊な商品については、単価が100円程度になることもあります。
商品の特性に合わせた検品方法が必要でしょう。
包装費用は、商品の梱包作業にかかる費用です。
商品を個別に梱包し出荷の準備を整えるための費用で、商品の大きさや梱包の複雑さによって金額が変わります。
一般的な梱包料の相場は150円から300円程度ですが、特別な包装やギフト用のラッピングが必要な場合は、さらに費用がかかることも。
ギフトラッピングや商品セットの作業には流通加工料が発生し、1個あたり300円程度が相場となります。
デバンニング料は、コンテナで運ばれてくる大量の商品を荷下ろしする際に発生する費用です。
フォークリフトを使用してコンテナから商品を取り出し、パレットに積み替える作業を指します。
費用は、商材の量や大きさや取り扱いの難易度によって変動し、相場は20,000円から35,000円程度。
特に、大型のコンテナでの輸送や大量の商品を扱う場合は、デバンニング料が重要なコスト要素となります。
配送料は、商品を配送先に届けるために発生する費用です。
国内の配送料は、500円から1,200円程度が一般的で、商品サイズや配送距離によって変わります。
都市部への配送であれば低い料金で済む場合もありますが、離島や遠隔地への配送では1,200円以上になることもあるでしょう。
また、海外配送の場合はさらに高額になり、数千円以上のコストがかかるケースも多いです。
燃料費やドライバー不足の影響で、近年配送料は上昇傾向にあります。
倉庫保管料は、保管スペースや商品の特性に応じてさまざまな料金形態が用いられています。
効率的かつ柔軟に倉庫を利用でき、商品の種類や保管量に応じた費用が発生します。
以下で、代表的な5つの料金形態について見ていきましょう。
坪建ては、倉庫の使用スペースを「坪単位」で計算する料金形態です。
1坪は約3.31平方メートルに相当し、使用するスペースに応じて料金が発生します。
最も一般的な料金形態で、使用した坪数に応じて支払う「使用坪契約」と、あらかじめ決められた坪数を固定で契約する「固定坪契約」があります。
スペース管理がしやすく、予算の見通しも立てやすいため、多くの倉庫で採用されているのです。
個建ては、商品の個数に基づいて保管料が決まる料金形態です。
1個あたりの料金が設定され、入庫する商品数に応じて費用が発生します。
商品の大きさが均一である場合や、在庫数が少ない商品に対して使用される形態。
また、在庫数の変動が激しい場合でも柔軟に対応できるため、特定の商品が頻繁に出入りする企業に適した方法です。
パレット建ては、商品を積んだパレットごとに料金を計算する方法。
パレットは荷物を効率的に積み上げ、移動や保管を簡単にするための荷役台で、フォークリフトでの操作が容易なことから倉庫作業の効率化に役立ちます。
パレットの個数に応じて保管料が決まるため、大量の商品を扱う際に便利な料金形態です。
容積建ては、商品の容積(体積)に基づいて保管料を算出する料金形態です。
1立方メートルあたりの料金が設定されており、国際物流やコンテナでの取引でよく用いられます。
容積建ては、スペースの効率的な活用を促し、坪やパレット建てでは生じる余分な空間を抑えることができるため、大量の荷物を扱う際に有効だと言えます。
重量建ては、荷物の重量に応じて保管料が決まる料金形態。
液体や粒状の製品、重量が不均一な商材を扱う際に利用されます。
倉庫の耐荷重制限によって保管できる重量に上限が設けられている場合もあるため、事前に確認しておく必要があるでしょう。
重量による料金形態は、重い商品を長期間保管する場合に適しています。
物流倉庫を利用する際、コストの最適化を図るコツがあります。
運用に必要なスペースや立地条件、商品の性質に応じて料金が変わるため、適切な管理で大幅な節約が可能になるかもしれません。
ここでは、倉庫利用のコストを抑えるためのポイントを紹介します。
倉庫保管料を抑えるには、利用するスペースの管理が重要です。
過剰にスペースを確保しすぎると無駄なコストが発生しますが、逆に少なすぎると必要なスペースが足りず、急な在庫の増加に対応できなくなるでしょう。
自社の事業規模や在庫状況をしっかりと把握し、必要なスペースを予測して、最適な使用量を管理しましょう。
特に事業が成長している場合は、将来的な在庫の増加を考慮し余裕を持ったスペースを確保するのが推奨されます。
倉庫の立地もコストに大きく影響します。
都市部の倉庫は保管料が高めですが、郊外の倉庫は比較的料金が安く、コストを抑えることが可能です。
自社の配送ルートや拠点展開を考慮しながら、最適な立地を選ぶことで、全体の物流コストを減らせるでしょう。
全国規模で配送する企業にとって、郊外の倉庫は交通アクセスが良く、効率的な配送が可能であるため、コスト面でのメリットが大きいです。
商品の性質や扱う商品の種類によって、倉庫保管料は異なります。
例えば、一般的な商品よりも温度管理が必要な食品や飲料は、保管時にかかる光熱費が高くなるため、料金が上がる傾向に。
一方で、手間のかからない商品であれば、より低コストでの保管が可能です。
自社の商品の特性に合った、最適な内容で倉庫利用を依頼することで、無駄なコストを抑えながら効率的に物流を運用できるでしょう。
いかがでしたでしょうか?物流倉庫の利用にかかる費用についておわかりいただけたかと思います。
固定費や変動費、さらに料金形態の違いを理解し、コスト管理に役立ててください。また、費用を抑えるためのコツも意識していきましょう。
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一般社団法人にっぽん福福
代表理事
福本 浩一
3歳の頃に両親が離婚し、母親のもとで妹と3人で暮らす。その後、母方の祖父が経営するバッティングセンターで幼少期よりお手伝いをする。
その頃に祖父から『子どもは宝』と教えてもらい地域の子ども達に喜ばれる貢献活動をすることの大切さを学ぶ。
大学卒業後、大手不動産会社へ入社。不動産業を学んだ後に、祖父の経営する会社へ入社。同時に青年会議所に入会する。
青年会議所で社会貢献や地域貢献について学び、祖父の経営する会社でも営業の傍ら社会貢献や地域貢献活動に尽力する。
社会貢献活動を通じて「他の企業にも社会貢献の重要性を広めたい」「社会貢献が当たり前」な社会を実現したいと考え、一般社団法人にっぽん福福を設立する。
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