物流倉庫の種類を確認!それぞれの特徴とおさえておきたいポイント

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物流倉庫を契約したいと考えていろいろ調べていたところ、思っていたよりも種類が多くて驚いたといった方もいるのではないでしょうか。
すると、困ってしまうのがどういった倉庫が用途に適しているのかわからない問題です。

そこで、物流倉庫の種類について詳しく知りたい方のため、代表的な種類とそれぞれの特徴について解説します。
この記事を読むことによって各倉庫がどういったものなのかがわかるようになるので、ぜひご覧ください。

物流倉庫とは

そもそも物流倉庫とは何でしょうか。
製造されてできあがった商品は直接購入者に届けられるわけではなく、輸送、保管、ピッキング、流通加工、検品、包装・梱包など、さまざまな工程を経て届けられます。

このうち、商品の保管に特化した役割を持つのが物流倉庫です。
ですが、近年は単純に保管のみを行う倉庫ではなく、仕分けや配送なども管轄することが増えてきました。

もともと各メーカーは自社で物流倉庫を所有しているのが一般的だったのですが、自社で物流倉庫を維持・管理していくのは簡単なことではありません。
そこで、管理の手間や維持のコストを抑えるためにアウトソーシングで物流会社が所有している倉庫を利用するケースが多くなっています。
これにより、物流コストを抑えながらも質の高い商品・物流管理ができているのが特徴です。

関連記事:物流倉庫を利用する際にかかる費用とは?相場を紹介

物流倉庫の種類と特徴について

一口に物流倉庫といっても、実にさまざまな種類があります。
ここでは、運営主体別、機能別、温度別、用途別立地別に、さまざまな物流倉庫の特徴を紹介していきます。

関連記事:物流倉庫の選び方とは?代表的な倉庫の種類も解説!

【運営主体別】物流倉庫

物流倉庫は、大きく分けると企業が自社で運営している自家倉庫と、物流業者に委託する営業倉庫の2種類に分類されます。

自家倉庫

自家倉庫は、各企業が自社の製品・資材などを保管し、物流業務をスムーズに行うために活用されている種類です。
第三者の荷物は基本的に保管しません。

規定はそれほど厳しくないのですが、在庫が増えた場合などに自家倉庫だけでは保管しきれなくなってしまう可能性があります。
少量の製品や商品を保管する目的であれば利用しやすいでしょう。
企業の建物と併設しておけば配送のリードタイムを短くすることも可能です。

営業倉庫

営業倉庫とは、第三者の荷物を預かって保管する目的で使用されている倉庫のことです。
営業倉庫として認められるためには国土交通省に対して届け出を行い、認定を受けなければなりません。

倉庫業法に基づく形で防火対策・防じん対策など、さまざまな対応が必要です。
中には無許可で営業倉庫業を行っている業者もあるため、営業倉庫の利用について検討している方は注意する必要があります。

【機能別】物流倉庫

倉庫がどのような役割を果たしているのかによっても呼ばれ方が異なります。
ここでは、トランスファーセンター、ディストリビューションセンター、プロセスディストリビューションセンター、フルフィルメントセンターについて紹介します。

トランスファーセンター

「TC」とも呼ばれるもので、在庫を保管することなく、中継地点として使用される倉庫のことをいいます。
積み替えや仕分けを行うための倉庫です。
トランスファーセンター内に商品を保管するわけではないため、それほど大きなスペースが求められないのも特徴です。

入荷してから基本的にすぐに仕分けなければならないため、円滑な作業が求められます。

ディストリビューションセンター

「DC」とも呼ばれ、センター内で商品を在庫として保管する種類の倉庫です。
流通や小売業者への出荷はディストリビューションセンターから行われていきます。

急な注文にも対応しやすい特徴を持つ倉庫で、小売業のほか製造業、卸売業などでも利用されている種類です。

プロセスディストリビューションセンター

「PDC」とも呼ばれる種類の倉庫です。
前述したディストリビューションセンターに商品の加工を行うための倉庫のことをいいます。

ただ、そのためには必要な設備が多いことや人件費がかかることもあり、コストが高くなりやすい種類の倉庫です。

フルフィルメントセンター

「FC」と略され、通販事業に特化しているのが特徴的な種類の倉庫です。
注文の処理や商品のピッキングなどのほか、梱包や発送まですべて行います。

倉庫内で発送まで手配できることもあり、顧客に対して迅速な商品配送ができるのが特徴です。
また、返品対応も行えます。

顧客満足度の向上を目指すにあたり、重要な意味を持つ工場ともいえるでしょう。

【温度別】物流倉庫

物流倉庫は、種類によって温度が変わります。
常温倉庫、定温倉庫、冷蔵倉庫、冷凍倉庫それぞれの特徴を見ていきましょう。

常温倉庫

常温倉庫は、倉庫の中でも一般的なものであり、特に倉庫内の温度調整を行わない種類の倉庫のことをいいます。
そのため、夏場は高く、冬場は低くなるのが特徴です。
保管温度が大きく変化しても商品の状態が変わらないものを保管する場合に向いているでしょう。

他の種類よりも比較的安く利用できる一方で、温度の影響を受ける商品を保管しないように注意が必要です。

定温倉庫

定温倉庫とは、一定の温度に倉庫内の温度を保っている種類です。
一般的には10~20℃程度に保たれた倉庫が広く利用されています。

例えば、チョコレート、調味料、ワイン、小麦粉などを保管する場合には、定温倉庫が向いているでしょう。
季節の変化などによって温度が変わってしまうことがないため、温度変化の影響を受けやすいものを保管するのにも適しています。

冷蔵倉庫

冷蔵保管が必要なものを預ける場合は、冷蔵機能が搭載されている倉庫を選びましょう。
一般的に倉庫内の温度は2~10℃程度に保たれています。

特に人口の多い地域や、水産物・畜産物・農産物などの生産量が多い地域に多く見られる種類の倉庫です。
食料の保管用途で広く使用されています。

冷凍倉庫

冷蔵倉庫よりも低い温度帯で管理が必要なものは、冷凍倉庫で管理することになります。
温度の目安としては、-15℃以下や-18℃以下です。

身近なところだと、冷凍食品やアイスクリーム、魚介などが保管されており、また、食品のほかに医薬品を保管する際に使用されることもあります。

【用途別】物流倉庫

物流倉庫によって用途はさまざまです。
ここでは9つの用途について紹介します。

一般倉庫

実にさまざまな商品を保管したり管理したりするための用途で選択されるのは、一般倉庫です。
日用品や雑貨の保管などで利用されています。
なお、前述した自家用倉庫のことを一般倉庫と呼ぶこともあります。

冷蔵・冷凍倉庫

冷蔵や冷凍の形で管理しなければならない商品を保管するのが、冷蔵・冷凍倉庫です。
冷蔵倉庫については2~10度前後、冷凍倉庫は-15℃または-18℃以下で管理されているのが一般的といえます。

温度が常温や高温になると品質が変化してしまうものや、溶けてしまうものなどは冷蔵・冷凍倉庫で管理していかなければなりません。
冷蔵・冷凍設備が搭載されている倉庫ということもあり、一般倉庫と比較すると利用料金が高めに設定されています。

危険物倉庫

危険物を保管するための倉庫です。
一口に危険物といってもさまざまな種類がありますが、例えば可燃性のものや爆発性のもの、毒性のものなどが代表的です。

通常の倉庫とは異なり、法令や規則に従う形で万が一の事態に備えられるようにさまざまな対策が講じられています。

自動倉庫

先進技術を利用することで効果的に運用されている倉庫のことです。
例えば、ピッキングシステムや無人のフォークリフト・コンベア・搬送ロボットなどを導入しています。

基本的に棚入れや仕分け、ピッキングなどの作業が自動化されているのが特徴で、これまで人が行っていた作業を機械が行います。

保税倉庫

輸入した貨物などを保管しておくことを目的とした倉庫です。
輸入を行うと関税や消費税を支払わなければなりませんが、保税機能を持った倉庫に保管しておくことにより、これらの支払いを保留し、一時的に支払わなくて良くなります。

保税倉庫の中には保管だけではなく検品・加工・保管・出荷まで総合的に行えるものもあります。
保税倉庫を利用することにより海外の企業に対して関税・消費税を払うことなく、外国貨物のまま転売が可能です。

貯蔵槽倉庫

穀物や液体、気体の保管を目的とした倉庫です。
特殊な設計がされており、石油やガス、化学薬品など流体物質の保管に適した状態になっています。

そのためには適切な圧力・温度で完了している必要があり、貯蔵槽倉庫は国が定める基準に適合していなければなりません。

野積倉庫

木材や鉱物、自動車、ケーブルなど、法律の中で「4類物品」に該当するものを保管するための倉庫です。
これらは雨風にさらされても大きな問題がないものであることから、建物内での保管ではなく、柵や塀で囲まれている保管施設になります。

法律によって定められている消火設備や防犯用の照明設備などを設ける必要があります。

水面倉庫

地上で保管すると乾燥して割れてしまう可能性がある原木を水の上で保管する目的で作られた保管施設のことをいいます。
「水面貯木庫」や「貯木庫」と呼ばれることもある倉庫です。

水の上に原木を浮かべて保管する形になります。
水に浮いていることもあり、木材が流出してしまうのを防ぐための措置が必要になるほか、防犯上効果的な照明設備が設置されている施設です。

トランクルーム

トランクルームには、主に個人の荷物を保管する目的があります。
利用可能な期間はトランクルームによって異なり、短期から長期までさまざまな用途で利用可能です。

また、個人だけではなく企業でも利用が可能であることから、企業の在庫や資材などを保管しておく場として使用されることもあります。
倉庫業法に基づいて国土交通省から認定を受けているトランクルームは「認定トランクルーム」と認められるので、優良なトランクルームを探している方にはこちらがおすすめです。

【立地別】物流倉庫

物流倉庫は、立地によって生産立地型倉庫と消費立地型倉庫に分けられます。

生産立地型倉庫

物品の仕入れ先などの調達先に近い位置に建てられている倉庫は生産立地型倉庫と呼ばれます。
特に仕入れ先の件数の方が納品先・販売先よりも多い場合は生産立地型の方がコストを抑えやすくなります。

消費立地型倉庫

消費立地型倉庫は、納品先や販売先に近い立地環境にある倉庫のことです。
仕入れ先よりも納品先・販売先の数が多い場合に適しています。

自社に適した物流倉庫を選ぶ必要がある

いかがだったでしょうか。
物流倉庫の種類やそれぞれの特徴について解説しました。
自社にはどういったところが向いていそうなのか見えてきたのではないでしょうか。

さまざまな種類があるので、その中から自社に適したところを選ぶことが重要です。

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この記事の監修者

一般社団法人にっぽん福福
代表理事

福本 浩一

略歴

3歳の頃に両親が離婚し、母親のもとで妹と3人で暮らす。その後、母方の祖父が経営するバッティングセンターで幼少期よりお手伝いをする。
その頃に祖父から『子どもは宝』と教えてもらい地域の子ども達に喜ばれる貢献活動をすることの大切さを学ぶ。
大学卒業後、大手不動産会社へ入社。不動産業を学んだ後に、祖父の経営する会社へ入社。同時に青年会議所に入会する。
青年会議所で社会貢献や地域貢献について学び、祖父の経営する会社でも営業の傍ら社会貢献や地域貢献活動に尽力する。
社会貢献活動を通じて「他の企業にも社会貢献の重要性を広めたい」「社会貢献が当たり前」な社会を実現したいと考え、一般社団法人にっぽん福福を設立する。

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