倉庫の保管料はどれくらい?計算方法と費用を抑えるポイント

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倉庫を利用するにあたり、よく理解しておかなければならないのが保管料に関することです。
預け入れるものの量や期間などをあらかじめ明確にし、どの程度の保管料がかかるのか確認しておきましょう。ただ、そもそも保管料についてよくわからないとなかなか細かい部分までイメージできません。

そこで本記事では倉庫の保管料について詳しく解説します。
この記事を読むことで保管料の基本や計算に関すること、費用を抑えるポイントなどがわかるように、ぜひご覧ください。

倉庫保管料とは?

倉庫保管料とは、商品や資材などを倉庫に保管するにあたり発生する費用全般のことをいいます。
保管料は倉庫に預ける荷物の量や大きさ、保管期間、保管条件などによって変わるのが特徴です。

例えば、一般的な室温で保管できるものと比較すると、危険物や定温倉庫や低温倉庫での管理が必要になるものはコストが高くなります。

また、同じ荷物の条件であったとしても、立地条件によって保管料は大きく変わってきます。
あまりアクセスが良好ではない立地条件の倉庫は比較的安く設定されていることも珍しくありません。
しかし、輸送時間が長くなったり、ドライバーを確保するのが難しくなったりした場合には結果としてコストが高くついてしまう点に注意が必要です。

物流業務において発生する費用は、物流コストと呼ばれていますが、これらは大きく分けると保管料、輸送料、作業料の3つです。
公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会によると、これらの内訳は以下の通りとなっています。

【物流コストその内訳】

  • 輸送料:57.6%
  • 保管料:16.4%
  • その他(包装費、荷役費、物流管理費):26.0%

過去の保管料について推移を確認してみると、2022年は16.9%(※1)、2021年は17.0%(※2)でした。
業種によって変動はあるものの、一般的に17%前後が相場といえます。

(※1)

(※2)

物流業において商品や資材の保管は必須ですが、保管することによって直接的な利益につながるわけではありません。
そのため、保管料が高くついていると感じる場合は、見直しも必要になっていくでしょう。

倉庫保管料を算出する際に用いる単位

倉庫保管料を算出される際に用いられる単位には、個建てや容積建て、坪建て、重量建て、パレット建てなどがあります。
それぞれどういったものなのか解説していきます。

個建て

保管する荷物1個あたりの保管料が定められており、それに個数をかける形で保管料を計算するのが個建てです。
一般的に、荷物のサイズが同じだったり、ほぼ均一であったりする場合に利用される方法となっています。

計算しやすい特徴を持つ一方で、荷物のサイズが異なる場合に個建てを選択すると所々無駄なスペースができてしまう可能性があるため、注意が必要です。

容積建て

荷物全体の容積(縦×横×高さ)から保管料を算出するのが容積建てです。
特に容積の大きい貨物や海上コンテナを利用した荷物である場合は容積建てが向いています。

通常は立方メートルが単位として使われる形です。
なお、コンテナを使用する場合は移動のための特別な設備・操作などが求められることから付帯費用が発生することもあります。

坪建て

一坪あたりの単価が設定されており、これに使用している坪数をかける形で保管料を計算する方法です。
坪貸しとも呼ばれます。

坪で計算することから、預け入れる荷物の形状やサイズが異なっても問題なく、広く利用されている方法です。

坪建てには、主に2つの契約方法があります。
1つ目が、都度使用した分の請求を行う使用坪契約、2つ目がはじめに使用する坪数を算出した上で坪数を固定する固定坪契約です。
預けるものの量が変動する可能性がある場合は使用坪契約を選択しましょう。

関連記事:倉庫の広さを表す坪数とは?賃貸する際の坪単価も解説

重量建て

荷物のサイズではなく、総重量で保管料を計算する方法が重量建てです。
例えば、サイズを計測するのが難しいものや、液体のように重量が大きい荷物を預ける場合によく利用されています。
一般的には1トン、または1キロあたりの単位で保管料が算出されます。

パレット建て

フォークリフトなどを使って荷物を運ぶ際にその台となるパレット1台あたりの料金が設定されており、使用する量に応じて保管料を計算します。

荷物がパレットに乗った状態で保管することになるので、荷役作業を効率化できるのが特徴です。
効率化できてコストが大幅に浮く場合は、そのあたりのコスト差も検討しながら自社に向いているか検討していきましょう。

倉庫保管料の相場

具体的に倉庫保管料はどの程度の相場となっているのでしょうか。
坪単価とパレット保管料を確認しておきましょう。

坪単価

坪単価は、地域による違いが非常に大きいといえます。
首都圏だと1坪あたりの費用相場は4,000~7,000円程度です。
一方、中部圏は比較的相場が安くなっており、一坪あたりの費用相場は3,500~4,000円ほどとなっています。
地域によっては一坪あたり2,500円~といったところもあるので、事前にどの程度の坪単価が設定されているのかよく確認しておきましょう。

計算例としては、保管坪数が300坪、坪単価が4,000円だった場合「300×4,000=1,200,000」で月の保管料は1,200,000円となります。

立地上、高速道路のインターチェンジ周辺にある倉庫はアクセスが良好であることから相場よりも高くなることも珍しくありません。

パレット保管料

パレット保管料に関しては、1枚あたり約0.5坪で計算されているケースが多く見られます。
そのため、先程の相場例でいうと、首都圏だと1枚あたり2,000~3,750円、中部圏は1,750~2,000円が相場です。

ただし、異なる場合もあるため、利用しようと思っている倉庫に対してしっかり確認しておきましょう。

関連記事:物流倉庫を利用する際にかかる費用とは?相場を紹介

倉庫保管料の計算期間と計算方法

利用する倉庫によって計算方法は異なります。
物流業界の中でも代表的な算出方法として挙げられるのが、1期制、2期制、3期制と呼ばれるものです。
それぞれの計算方法とポイントを解説していきます。

1期制

1期制とは、1ヶ月を一つの期間として扱い、その期間内の最大在庫量に基づく形で保管料を計算する方法です。

【計算例】

  • 月内の在庫量:300個
  • 単位あたりの保管料:10円

【保管料】
300×10=3,000円

1ヶ月単位で在庫管理ができる手軽さが大きなメリットといえるでしょう。
ただ、一方で在庫量が急激に変動した場合でも柔軟性を持って対応するのが難しいと言えます。

2期制

1ヶ月を2つに分割し、それぞれの期間の保管料を計算して合算する方法です。
例えば、毎月1日から15日までが第1期、16日から月末までが第2期の形をとっているケースが多く見られます。

【計算例】

  • 第1期在庫量:300個
  • 第2期在庫量:130個
  • 単位あたりの保管料:10円

【保管料】
(300×10)+(130×10)=3,000+1,300=4,300円

1ヶ月の中で大きな在庫変動が起こったとしても1期制よりも柔軟性を持って対応できるのが特徴です。

3期制

1ヶ月を1日~10日、11日~20日、21日~月末までの3つの期間に分け、それぞれの期間の保管料を計算して合算する方法です。

【計算例】

  • 第1期在庫量:300個
  • 第2期在庫量:120個
  • 第3期在庫量:200個
  • 単位あたりの保管料:10円

【保管料】
(300×10)+(120×10)+(200×10)=3,000+1,200+2,000=6,200円

計算方法はやや複雑ですが、在庫量が変動するのに応じて保管料を支払えるのがメリットです。

倉庫保管料を抑えるためのポイント

倉庫保管料が高くついていると感じているのであれば、抑えるための対策をとりましょう。
効果的な4つの方法を解説していきます。

倉庫スペースの見直し

現在契約している倉庫をそのまま使用しながら倉庫保管料を抑えたいと考えているのであれば、倉庫スペースの見直しから行いましょう。

例えば、大きさの異なる荷物を乱雑に入れており、そのせいで保管できるスペースが少なくなっているようなことはないでしょうか。
無駄な空間が生まれている場合は、そこを改善するだけでも入れられる荷物の量が増え、結果的にコスパが良くなります。

また、倉庫に入れる際は立体の空間を活用することも重要です。
積み重ねられる商品に関しては縦のスペースも有効活用していきましょう。

立地の検討を入念に行う

倉庫保管料を大きく左右するのが、立地環境の問題です。
アクセス面で見て非常に便利なところにある倉庫は、土地代が高いことから費用が高めに設定されています。

多少アクセス面で不便でも利用料を抑えたいと考えているのであれば、土地代の安い郊外などに建てられている倉庫を選んでみるのがおすすめです。

ただし、アクセスが良好ではない立地の場合は運送費がかかってしまうことも確認した上で検討していきましょう。

複数の倉庫業者を比較検討する

一口に倉庫といっても、どの倉庫を選ぶのかによって料金設定が大きく異なります。
そのため、倉庫を利用したいと考えているのであれば複数の倉庫業者に見積もりを依頼し、料金を比較すると良いでしょう。

地域によっては業者の選択肢が多くて悩んでしまうこともありますが、そういった場合は口コミでの評判なども含めて検討してみるとわかりやすくなります。
また、信頼性を重視するのであれば、これまで長年にわたってサービスを提供している倉庫業者を選びましょう。

自社で梱包や加工を行う

梱包や加工などをまとめて倉庫業者に依頼すると、それだけ費用は高くついてしまいます。
そのため、社内で対応できる業務については依頼せずに済ませることで費用を抑えることが可能です。

もちろん、そもそも人手が足りておらず、自社で梱包などを行う場合は新規に採用しなければならないケースだと反対に高くつくこともあるので注意しましょう。
自社で対応可能なのかも含めた判断が求められます。

倉庫保管料の基本と計算方法を確認しておこう

いかがだったでしょうか。
倉庫保管料の概要や具体的な計算方法、費用を抑えるにはどうすれば良いかなどについて解説しました。
現在、倉庫保管料が高くついている場合に実践したい方法などもご理解いただけたかと思います。
ただし、費用ばかり重視すると使いにくい倉庫を選んでしまう可能性もあるので注意しましょう。

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この記事の監修者

一般社団法人にっぽん福福
代表理事

福本 浩一

略歴

3歳の頃に両親が離婚し、母親のもとで妹と3人で暮らす。その後、母方の祖父が経営するバッティングセンターで幼少期よりお手伝いをする。
その頃に祖父から『子どもは宝』と教えてもらい地域の子ども達に喜ばれる貢献活動をすることの大切さを学ぶ。
大学卒業後、大手不動産会社へ入社。不動産業を学んだ後に、祖父の経営する会社へ入社。同時に青年会議所に入会する。
青年会議所で社会貢献や地域貢献について学び、祖父の経営する会社でも営業の傍ら社会貢献や地域貢献活動に尽力する。
社会貢献活動を通じて「他の企業にも社会貢献の重要性を広めたい」「社会貢献が当たり前」な社会を実現したいと考え、一般社団法人にっぽん福福を設立する。

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